HCII2024 in ワシントンDC で発表しました!

はじめに

名古屋工業大学大学院創造工学プログラム2年白松研究室所属の橋本です。
この度、ワシントンDCで開催されたHCII2024に参加しましたので、参加報告を行ないます。 今回は2度目の国際学会ということで緊張せずリラックスして向かうことができました。 また今回の発表は、名古屋工業大学国際学会発表支援事業に採択され、渡航の支援を受けました。関係者の皆様ありがとうございました。

発表内容

私が口頭発表したタイトルは「Discovering Authentic Self: Coaching Agent for Job-Hunting Students」です。LLMを用いた就活生向けのコーチングエージェントを開発し、実際の就活生を被検者として実験を行いました。システム開発・設計にHylableの柳楽さん、水本さんにご協力頂きました。
大会HPはこちら。https://2024.hci.international/ 採択率はほぼ例年通りで30.6%でした。

質疑応答

質疑応答では、チェアマンから2つ質問がありました。内容はどちらも欧米・日本におけるシステムの効果差についてでした。
「1:ヨーロッパや欧米でこのシステムを使うとどう変わるのか」、「2:ヨーロッパや欧米でこのシステムを使うと、結果の内どの部分に差が表れると予想するか」の2つでした。
私の回答としては、「1:言語的な挙動や動作にはおそらく変化はないが、効果として差が出ると思われる。」、「2:欧米ではプライベートを特に大事にすると聞いたことがあるので、プライベートの項目で差が出ると予想する。」と回答しました。回答の問題点としては、欧米への勝手なイメージで回答している点と地域や文化に関わらず個人の差について言及していない点の2つです。また回答自体も非常に抽象的で、どう差がでるのか(上がるのか、下がるのか)をその場で理論立てて回答できればよかったと思います。
今回のシステムは「日本の就活生特有の問題」に焦点を当てて、設計開発を進めました。そのためスライドでも日本の課題やその結果生じる問題などを詳しく説明しています。その結果「日本でしか効果が無い」「日本における問題にしかフォーカスしていない」ように受け取られたように思われます。その結果、あまり興味持って貰えなかったのかと考えています。特に今回のシステムは国内の学会で賞を得たこともあり、かなり自信があったのですが、チェアマンからの質問しか得られませんでした。
しかし、内容以前にも、発表する際にカンペを読み続けて前を見ないなどの発表スタイルにも問題はあったので、次回はその辺りを修正してより多くの質問を受けたいと思います。今回の発表はハイブリッドかつ単独出張ということもあって、日本時間の深夜に白松先生には発表を見守って頂きました。

学会全体の感想

今回の学会で特徴的だったのはハイブリッド開催である点だと感じました。オンラインと対面で日程が分かれているだけでなく、セッションの中にもオンラインと対面での発表が混ざっていました。その結果、チェアマンと学生ボランティアしか居ない部屋などもあり、入室に非常に勇気がいります(私は「このままだと質問させられる」と思い入れませんでした。)。

また日本人参加者が多いことももう一つの特徴として挙げられると思います。なので、学会期間中に不安に感じることも少なく、複雑な事や観光情報等を周りの人と共有しながら参加することができました。

興味深い研究

Generative Artificial Intelligence for the Visualization of Source Code as Comics、Enhancing Relation Extraction from Biomedical Texts by LLMs、Digital Democracy, Digital Dangers: Tracing Cybercrime Victimization in Finnish Online Political Discourse